衆院選の結果を見ていきます。
はじめに
自民は裏金議員の一部を非公認とした。多摩地域では21区の小田原さん、24区の萩生田さんが該当する。非公認になれば比例代表との重複立候補ができなくなり、政見放送の出演もできない、ビラの枚数も減る、選挙カーも1台のみと様々な制約を受ける。
また野党間の調整も一部にとどまり、多数の政党が乱立した。
区割りの変更
新たな小選挙区の区割りで定数が「10増10減」となった。東京都内の小選挙区は5増えて30選挙区に。多摩地域は以前の18~25区と新設された30区の合計9選挙区になり1選挙区増えた。
八王子市以外は同じ市内で選挙区が別れることはなくなった。 町田市は単独選挙区となった。
全体的な結果
自民で単独過半数を割ることは事前に予想されていたが、自公でも過半数に届かないとは驚いた。公明も石井代表が落選し、全体で8議席失っている。自民は公明以外にも連立を組むのか、石破総理は続投するのか、首班指名選挙はどうなるのかなどが今後の注目ポイント。
一方、立民は50議席増となった。国民は4倍の28議席、れいわは3倍の9議席、参政は3倍の3議席。社民は変わらず1議席。維新と共産は微減。保守党が3議席獲得し、得票率2%の政党要件を満たした。
多摩地域の各選挙区
それでは多摩地域の9つの選挙区について見ていきます。
東京18区
武蔵野市、府中市、小金井市→武蔵野市、小金井市、西東京市(府中市OUT、西東京市IN)
当選 | 福田 かおる | 自民(公明) | 新 | 元農林水産省職員、 元法務大臣秘書官 | 99,002 | 42.3% |
比例 | 松下 玲子 | 立民 | 新 | 元武蔵野市長、元都議 | 96,820 | 41.4% |
徳永 由紀子 | 参政 | 新 | 19,496 | 8.3% | ||
樋口 亮 | 共産 | 新 | 18,512 | 7.9% |
菅直人元総理が引退し、後任に元市長の松下さんが出馬。松下さんの方が知名度は高いとは思うが、市長を途中で投げ出したのと、外国人にも投票権を認める住民投票条例を提出し市政を混乱させたこともあってか福田さんに敗れる。YouTubeで公開された討論会でも福田さんの方が誠実に受け答えしていたと感じる。
松下さんは地元中の地元である武蔵野市で福田さんとの差が一番開いている。惜敗で比例復活したが、立民に風が吹いている中で負けたので今後はさらに厳しいかも。
東京19区
小平市、国分寺市、西東京市→小平市、国分寺市、国立市(西東京市OUT、国立市IN)
当選 | 末松 義規 | 立民 | 前7 | 元復興副大臣、 元総理大臣補佐官 | 76,899 | 39.4% |
比例 | 松本 洋平 | 自民(公明) | 前5(比例) | 元経済産業副大臣、 元内閣府副大臣 | 74,435 | 38.2% |
吉田 圭一郎 | 維新 | 新 | 元衆議院議員秘書 | 23,289 | 11.9% | |
井手重 美津子 | 共産 | 新 | 20,417 | 10.5% |
毎回末松 vs 松本の熱い戦いを繰り広げる19区。前回でも末松さんが制したので今回も順当に勝利といった感じ。
東京20区
東久留米市、清瀬市、東村山市、東大和市、武蔵村山市(選挙区の変更なし)
当選 | 木原 誠二 | 自民(公明) | 前5 | 元官房副長官 | 93,390 | 43.0% |
大西 健太郎 | 国民 | 新 | 65,435 | 30.1% | ||
宮本 徹 | 共産 | 前3(比例) | 58,215 | 26.8% |
安定の木原さん。宮本さんは今回は比例復活もならず。大西さんもそれなりに票が取れているので次回に期待。清瀬市では宮本さんが2位となっている。
宮本さんが比例復活しなかった理由はそもそも共産の比例票が減っているからで惜敗率とかではない。
東京21区
八王子市(24区に属さない区域)、立川市、日野市、国立市、多摩市(23区に属さない区域)、稲城市(22区に属さない区域) → 八王子市(24区に属さない区域)、立川市、日野市(国立市OUT、多摩市と稲城市の一部OUT、八王子市の一部IN)
当選 | 大河原 雅子 | 立民 | 前2(比例) | 元参議、元都議 | 90,724 | 42.1% |
小田原 潔 | 無 | 前4 | 元外務副大臣 | 69,421 | 32.2% | |
山下 容子 | 維新 | 新 | 元都議 | 36,642 | 17.0% | |
森 裕一 | 参政 | 新 | 18,511 | 8.6% |
前回21区を制した小田原さんが今回は自民党非公認になり、その影響もあってか大河原さんが勝利。得票率で見ると大河原さん(40.1→42.1)は前回とそれほど変わらないが、小田原さん(45.5→32.2)が大幅に減らしている。
東京22区
三鷹市、調布市、狛江市、稲城市(21区に属さない区域) → 三鷹市、調布市、狛江市(稲城市の一部OUT)
当選 | 山花 郁夫 | 立民 | 元4 | 元法務副大臣 | 99,790 | 40.2% |
比例 | 伊藤 達也 | 自民(公明) | 前9 | 元金融担当大臣、 元総理大臣補佐官 | 96,748 | 39.0% |
鈴木 美香 | 参政 | 新 | 26,005 | 10.5% | ||
平野 義尚 | 共産 | 新 | 25,453 | 10.3% |
伊藤さんが4連勝している選挙区だったが、今回は僅差で山花さんが当選。山花さんは2009年の政権交代以来久しぶりに選挙区で勝利した。
狛江市では伊藤さんが1位となっている。
東京23区
町田市、多摩市の一部→町田市(多摩市の一部OUT)
当選 | 伊藤 俊輔 | 立民 | 前2 | 111,851 | 59.0% | |
吉原 修 | 自民(公明) | 新 | 元都議 | 71,154 | 37.6% | |
AIメイヤー | みんな | 新 | 6,475 | 3.4% |
町田市単独の選挙区。前回23区を制した自民・小倉さんが体調不良を理由に不出馬。急遽元都議で前回町田市長選挙にも出馬した吉原さんが駆り出された。結果は順当に伊藤さんが勝利。自民は次回は新人を擁立するか。
東京24区
八王子市(21区に属さない区域) → 八王子市(21区に属さない区域)(一部減った)
当選 | 萩生田 光一 | 無 | 前6 | 元経済産業大臣 | 79,216 | 38.6% |
比例 | 有田 芳生 | 立民 | 新 | 元参議 | 71,683 | 35.0% |
浦川 祐輔 | 国民 | 新 | 24,653 | 12.0% | ||
佐藤 由美 | 維新 | 新 | 元都議 | 18,501 | 9.0% | |
與倉 さゆり | 参政 | 新 | 8,678 | 4.2% | ||
畑尻 文夫 | 無 | 新 | 2,251 | 1.1% |
萩生田さんは自民党非公認。注目選挙区ということもあってか6人が出馬し混戦状態に。さすがに萩生田さんは負けないと思っていたが、意外にも有田さんが迫っていた。
佐藤さんは前回国民公認だったが今回は維新から。新たに国民から浦川さんが出馬し、佐藤さんより票を得ている。
東京25区
西多摩+昭島市(選挙区の変更なし)。
当選 | 井上 信治 | 自民(公明) | 前7 | 元万博担当大臣 | 110,488 | 53.1% |
宮﨑 太朗 | 維新 | 新 | 41,080 | 19.7% | ||
依田 花蓮 | れいわ | 新 | 元新宿区議 | 29,179 | 14.0% | |
池田 公三 | 共産 | 新 | 元福生市議 | 27,323 | 13.1% |
山下さんが21区に行き、島田さんも不出馬となりついに民主党系の候補者がいなくなった25区。絶対王者井上さんが過半数の支持で当選。
宮﨑さんは青梅市長選や都議選に出馬したが、今回は維新公認で衆院選へ。池田さんは福生市では依田さんを超え3位になっている。昭島市だけ井上さんの得票率が5割を切っている。
東京30区
府中市、多摩市、稲城市(新設)
当選 | 五十嵐 衣里 | 立民 | 新 | 元都議 | 98,146 | 42.0% |
比例 | 長島 昭久 | 自民(公明) | 前7(比例) | 総理大臣補佐官、 元防衛副大臣 | 91,798 | 39.3% |
早川 寛 | 共産 | 新 | 19,061 | 8.2% | ||
武田 祐一郎 | 参政 | 新 | 17,013 | 7.3% | ||
三井 健 | みんな | 新 | 7,815 | 3.3% |
五十嵐さんは都議(武蔵野市)を辞め、こちらに移る。選挙区もかぶっていないが見事当選。
長島さんはかつて21区だったが、前回自民党入りの際に18区へ鞍替え。小選挙区で落選したが比例で復活。そして今回新設の30区へ。自民党総裁選では石破さんの推薦人になり、首相補佐官(安全保障担当)を務めている。長島さんは選挙強くないから今後も比例頼みか。
共産が3位なのもすごいな。やはり多摩市では立民と共産がやや強くなっている。
おわりに
多摩地域で立民は出馬したところは比例復活も含めると全て当選。自民は21区と23区で落選している。多摩地域の衆議院議員は自民7人(うち比例3人)、立民7人(うち比例2人)となった。
次回は比例代表編です。
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