2022年春アニメもほぼ最終回を迎えたので感想を書いていこうと思います。今期完走は16本でした。
■であいもん
制作:エンカレッジフィルムズ
「であいもん」とは京都の言葉で相性の良い食材同士を掛け合わせてどちらの味も引き立たせたり、素材以上の深みを引き出し合ったりすることらしい。
主人公の和(なごむ)は東京に出て10年間バンド活動をしたが鳴かず飛ばずで実家の和菓子屋を継ぐために京都に帰ると、そこには親に捨てられた一果を預かっていて一緒に暮らすことになる。最初は疎まれながらも心通わせていくハートウォーミングストーリーとなっている。そんな内容なので「朝ドラ」っぽいと好評になっている。「ばらかもん」とタイトルが似ているので関係あるのかと思ったが全く関係なかった。
後先考えないが思いやりのある和と、そんな和に徐々に心をひらいていき、どこか父親の姿を重ねてしまう一果のほのぼのストーリーが心地よい。一果は普段はしっかりものだけど、時折父親の影を探してしまうところがあり、年相応なところも垣間見えて健気で可愛い。和の元カノの佳乃子と片思い中の美弦ちゃんの恋のライバル関係のバチバチと、そこに挟まれる一果ちゃんというコメディタッチなシーンも面白い。
和菓子屋の話なので季節ごとの和菓子が出てきたり、お菓子自体にも意味が込められていてそれで相手に気持ち伝えるという演出も良かった。原作のストックもあるようなので是非2期もやってほしい。
■かぐや様は告らせたい-ウルトラロマンティック-
制作:A-1 Pictures
2年ぶり3期目。飛び級でスタンフォード大学行きが決定し後がない中で、ついに白銀会長がかぐや様に告白(実質)する。文化祭を使ってのキャンプファイヤー中にハートの風船が舞い上がるという練りに練ったウルトラロマンティックな告白もタイトルに偽りなく最終回にふさわしい演出となった。まだまだ原作では続きがあるが、一つの区切りっぽい感じになったかな。
主役2人以外のキャラクターについても丁寧に描かれているところがこの作品の面白いところ。今回は特に早坂が素になってデレるところとか可愛すぎた。合コンやカラオケでの会長との絡みや、三者面談でママに甘えたりするところも良かった。石上がつばめ先輩に告ったりとこちらも関係が進展。かぐや様が石上にサポートしたりとこの2人の関係性も尊い。今期から四条眞妃も新たに活躍。かぐや様の遠縁ということで素直になれない所と、たまに素を出す時のギャップが良い。
最終回放送後に「新作アニメーション制作決定」との発表があった。TVシリーズ4期か映画かは不明だが待ち遠しい。
■まちカドまぞく 2丁目
制作:J.C.STAFF
3年ぶり2期目。畳み掛けるような会話やギャグのテンポが心地良いし、ミカンの変身や桃の闇落ち変身シーンも可愛くて満喫できた。最後は勢ぞろいでミカンの呪いの体質を解消する大団円も良かった。3期も是非やって欲しい。
■阿波連さんははかれない
制作:FelixFilm
心理的にも物理的にも距離が測れない阿波連さんと天然のライドウが織りなす学園ギャグアニメ。阿波連とは沖縄の苗字らしいですね。「NEW GAME」にも阿波根というキャラがいましたね。
阿波連さんだけでなくライドウもそうとう変わったキャラクターでツッコミ不在なところもシュールで面白い。通常は2人いるとだいたいボケとツッコミに分かれるんだけど、ライドウの勘違いに阿波連さんが乗っかって突っ走ってしまうのが面白い。ユーチューバー、ラップ、卓球など全然上手くないのに2人で世界を目指す妄想力が楽しい。1話から実質付き合ってるみたいなものだったが、こういうアニメでちゃんと告白するとは思ってなかったので新鮮だった。
最終回で新キャラが登場したってことは2期も期待できるってことだろうか。
■くノ一ツバキの胸の内
制作:CloverWorks
男のいない「くノ一」だけの忍者の里で女の子がキャッキャウフフする忍者の里の日常系。1チーム基本3人で十二支分の班があるので36人のキャラクターがいる。あと先生2人。
影で練習していたり優しさをそれと見せないように振る舞うベニスモモ、仲の良いウイキョウ&キキョウ、医療術が得意でみんなから頼りにされているモクレンなど魅力的なキャラクターがたくさん出てきてそれぞれがキャッキャウフフしているのを見るのが楽しい。最終回はアニオリらしいが、村の襲撃者を全員集合で立ち向かっていくのは良かった。
男の謎に迫るのがテーマかなと思ったがそんなことはなく、時たま男のいる里で暮らしたことのあるリンドウの話を聞いてツバキが照れてるところが可愛かった。
■パリピ孔明
制作:P.A.WORKS
三国志の孔明が時代と国を超えて現代の渋谷に転移し、シンガーの月見英子の軍師として活躍するお話。正直最初タイトル見たときはもっとネタ系だと思っていたが、軍師らしく策を弄して英子を支えていくところが面白い。「石兵八陣」や「無中生有」など兵法ネタを織り交ぜて、英子の活躍を手助けしていく。クラブイベントから始まり、隅っこの野外フェス、そしてビッグイベントの出場と孔明のおかげでどんどん大きなステージで歌えるようになっていくサクセスストーリーが心地よい。
ライバルのアザリエは孔明と出会わなかった英子の別ルートみたいな感じで少し辛い。大人の思惑で売れるようになったが自分のやりたいことと離れていくという悲しさが表されている。最後の英子とアザリエの対決で孔明の力もあってか本来のアザリエの良さで売る方向に変わったのは救われた。プロデューサーも一概に悪い人と言うわけではなかのも幸い。期待していた以上の作品で楽しめた。
■SPY×FAMILY
制作:WIT STUDIO、CloverWorks
主人公のロイドがスパイ活動のために子供・アーニャと妻・ヨルと家族を装って生活していく。スパイのロイドだけでなく、アーニャは超能力で人の心を読めるし、ヨルは殺し屋というそれぞれ秘密を隠したままお互いの利害で家族のふりを続けていくというドタバタコメディ。一緒に暮らしていくうちに次第に親密になってスパイ活動より家族の気持ちを優先させてしまっていくところが面白いところ。
アーニャは人の心を読めるので、スパイや殺し屋を隠しているロイドやヨルが物騒なことを考えているときのリアクションが面白いし、「父(ちち)」や「うぃ」と言う返事もかわいいし、笑顔を作ろうとして小馬鹿にしたような細目になりるところも面白い。
10月に2クール目の放送が決定しているので楽しみだ。
■カッコウの許嫁
制作:シンエイ動画、SynergySP
赤ん坊の頃に取り違えられた海野凪と天野エリカが、取り違えが判明したあとに許嫁にされるラブコメ。許嫁のエリカと、凪が以前から好きだった瀬川さんと、血の繋がらないことが分かったブラコン気味の妹の幸との四角関係を描いていく。
エリカは凪の気持ちを知ってアシストしてるし、瀬川さんは神社の跡取りで許嫁がいるし、妹の幸は実姉との関係にもやきもきしてるし、よくあるハーレムものならすぐに3人の取り合いになるが、本心はともかく表立ってそうはなっていない。2クールなので展開はゆっくりめで描かれているというのもあるのだろうか。
10話でカッコウの托卵について天野父が話していたが、その真相やいかに。連続2クールなので引き続き夏も放送。
■乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です
制作:ENGI
ゲームの世界に転生して無双するお話。特別な能力のないモブとして転生するが、プレイ済みのゲーム知識を活用してロストアイテムや人工知能を手に入れ活躍していく。
転生系で無双するのはよくある展開だが、ひねくれた性格が災いし思いやりや功績の割には敵を作ってしまうダークヒーロー的な立ち位置が面白い。ヒロインのオリヴィア(CV:市ノ瀬加那)も可愛い。
■史上最強の大魔王、村人Aに転生する
制作:SILVER LINK.、BLADE
魔王が平凡な生活を求めて後世に転生するアノス系転生モノ。転生先の未来は総じて魔法のレベルが低く、転生した主人公が無双する点で前期の「失格紋の最強賢者」と似ている。
最初いじめられキャラだったジニーがどんどんサキュバスとしての才覚を発揮していくところが面白い。話の内容的には魔族が弱く魅力にかけるし、後半の過去編の展開がとっ散らかっていて分かりづらかった。定番だが前半の学園無双は面白かったかな。イリーナやジニーの可愛さが見どころのアニメだった。
■サマータイムレンダ
制作:OLM TEAM KOJIMA
「影」と呼ばれるドッペルゲンガー的なものを見ると死ぬという伝説がある島を舞台としたサスペンスのループもの。
島にはすでに本人になり変わって影が潜んでいるが、誰が影かわからないという緊張感があって楽しめる。逆に影の潮が味方になったり、人間が影の側についていたりと入り乱れていて面白い。敵にループしていることを気づかれるというのも新鮮。潮としおりちゃん本体が死んで影が助かる展開は泣けた。死に戻るたびにセーブポイントが遅くなっていくのも緊張感があって良い。ただのサービスショットだと思ってたパンツの色が伏線になっているのは驚いた。
誰が敵か味方か分からないまま、この絶望的な状況をどう解決にもっていくか今後も目が離せない。連続2クールなのでこの夏も引き続き放送。
■古見さんは、コミュ症です。 2期
制作:OLM TEAM KOJIMA
去年の秋以来の2期目。2期というか実質分割2クール。新キャラの片居くんも加わって只野くんの交友関係に新展開も。今回は特に山井さんの言動のヤバさが際立っていて面白かった。最終回では2年生に進級したところで終わる。クラスメイトも一新するみたいなので3期も是非やってもらいたいですね。
■可愛いだけじゃない式守さん
制作:動画工房
可愛さとカッコよさを兼ね備えた式守さんと、不幸体質でトラブルに巻き込まれる和泉との学園ラブコメ。この手のラブコメで最初から恋人として付き合ってる設定なのは珍しい。付き合う前のほうが話が作りやすいからね。
看板が落ちて当たりそうになる和泉を式守さんのキックで守ったり、川で溺れたところを助けたりと式守さんのカッコよさが描かれている反面、和泉の何気ない優しさにときめくところも描かれていて可愛さもある。
舞台が日野市をモデルとしてるみたいで日野駅とか、映画を見る回では立川駅が出てきたりして場所も分かると楽しい。
■勇者、辞めます
制作:EMTスクエアード
魔王を倒した後の平和な世界の勇者だったが、その強さ故に人間から危険視され、敵対していた魔王軍に行き着き、そこで働くお話。数少ないポンコツ魔王軍幹部を持ち前の有能さで助けていく。
人類を救うために勇者として作り出され、半永久的に生き続けられるが、平和になった今存在意義に悩むというテーマも描かれる。
■骸骨騎士様、只今異世界へお出掛け中
制作:スタジオKAI、HORNETS
ゲームの世界に転生して無双するお話。装備などは最高のものだが、アバターが骸骨なのでうっかり鎧を脱げずにいる。話の流れとしては最強チートで無双しエルフとともに仲間を救出しに行くというシンプルな展開。お色気展開は序盤だけだった。最終回にOP/EDにSEがつくのはあるが、最初からOPにSEが付くのも新しい。
■八十亀ちゃんかんさつにっき 4さつめ
制作:ハヤブサフィルム
1年ぶり4期目。2019年から毎年1クールずつやっている。今回は名古屋や関西だけでなく、関東勢も加わってご当地ネタを展開。手羽先回では「世界の山ちゃん」と「風来坊」などリアル商品も紹介したりと一段と地元愛あふれる内容となった。
それではまた2022年夏アニメでお会いしましょう。
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