多摩地域ニュースまとめ2025年2月前半号

多摩

埼玉県八潮市において、道路が陥没しトラックが転落する事故が発生しました。この事故から2週間以上が経過しましたが、運転手の行方は依然として不明です。陥没によって損傷した下水道管の完全な復旧には2、3年を要する可能性があるとされています。このような状況を受けて、国土交通省は全国の下水道管理者に対し緊急点検を実施するよう要請しました。

全国的に、高度経済成長期に整備されたインフラの老朽化が進行しており、その維持・更新には多額の費用が必要です。しかし、少子高齢化による税収の減少や社会保障費の増加により、十分な予算を確保することが難しくなっています。さらに、技術者の不足が深刻化しているため、インフラの維持がますます困難な状況にあります。また、近年の気候変動による災害リスクの増加や巨大地震の懸念も、インフラの重要性を一層高めています。

このような背景から、定期的な点検や補修の実施が求められ、必要なインフラのみを維持し、統廃合を進めることや公共交通を中心としたコンパクトシティの推進が重要視されています。

現在、国や地方自治体では来年度の予算についての議論が行われていますが、インフラの維持管理に関しても十分な注目が必要です。

それでは今回も多摩地域のニュースを見ていきます。

西東京市長選挙

令和7年2月2日執行 西東京市長選挙・西東京市議会議員補欠選挙 投・開票結果

当選名前年齢現/新推薦等経歴票数得票率
池沢 隆史65現1自公推薦元副市長37,17168.3
井手重 美津子61共産公認
生活者ネット推薦
共産党地区委員長11,09220.4
杉浦 未来28政治団体代表6,17111.3

現職の池沢市長が当選。老朽化した学校の建て替えなどを訴えていた。

井手重さんは共産党地区委員長で都議選や衆院選に立候補し、いずれも落選している。前回の市議選での生活者ネットと共産候補の票を合わせると11,796票なので、投票率が低いことを考えれば、この層が票の中心だろう。

杉浦さんはSNSなどもやってないし、FM西東京の政見動画と経歴アナウンスも辞退している。選挙公報にも経歴がほとんど書いていないが、横浜市在住とのこと。首長選挙に住所要件はないが、実際にその自治体に住んでない首長はいるのだろうか。

直前まで現職以外の候補が出ず無投票になりかけたが結果3人の戦いとなった。前回の市長選はかなり接戦だったが、今回は対抗馬が共産党の候補なのでこの程度だろう。現職の失点もないし、争点らしい争点がなかったので投票率も過去最低の32.72%だった。

西東京市議会議員補欠選挙

小峰市議が辞職したことによる補選。小峰市議は女性市議に不適切発言をしたとして問題になり辞職している。補選ということで任期は約2年。

選挙前の市議会(定員28、欠員1)の勢力は、市長与党の自民、公明の13議席に対し、立民、共産、生活者ネットなどが14議席と拮抗している。PFAS 水質検査実施の陳情が自民・公明の反対を抑えて採択されたこともあり、この1議席は大きい。

当選名前年齢現/新推薦等票数得票率
千間 泉実32立民公認22,33142.6
関 泰章44自民推薦19,92438.0
大村 静香4910,20419.5

立民の千間さんが当選。公立小学校に6年半勤務。地元の松下衆議院議員が応援に入っていた。FM西東京の政見動画もわかりやすくて動画慣れしているなという印象。

関さんは衆議院議員菅原一秀事務所、井上信治事務所で勤務していた。地元の福田衆議院議員も応援に入っている。FM西東京の政見動画を辞退しているのはマイナス点かな。ちなみに前回の市議選での自公候補の票を合計すると25,191票。

大村さんはかつて自民党員だったとか。今回自民、立民との戦いの中で意外に票を取ったなという印象。

選挙後、立民公認だった佐藤大介市議が自民党会派に加わる事に。このタイミングで自民党会派に移るとは、相当良い条件でも提示されたのか。これで自公14議席とその他14議席で拮抗となった。

令和7年度東京都予算案

令和7年度東京都予算案の概要

大盤振る舞いの予算案。東京都はお金ありますね。

令和7年度予算のポイント

一般会計歳出総額:9兆1,580億円(前年度当初予算比+7,050億円,+8.3%)

税収:6兆9,296億円(+5,431億円、+8.5%)
企業収益の堅調な推移による法人二税の増や、雇用・所得環境の改善に伴う個人都民税の増など

政策評価・事業評価・グループ連携事業評価
事業評価 公表件数1,558件、財源確保額1,303億円

基金残高:1兆6,570億円(前年度最終補正後予算比-6,456億円,-28.0%)
都市の強靱化や福祉先進都市の実現、社会資本等の整備などを着実に進めるため、基金を取り崩し、財源として積極的に活用

都債残高:4兆4,431億円(前年度当初予算比-2,893億円,-6.1%)
都債の発行額を抑制

歳入歳出予算の状況

経常経費は前年度に比べて8.3%増の5兆7,367億円、投資的経費は前年度に比べて8.3%増の1兆1,611億円、公債費は前年度に比べて11.3%減の2,872億円。

持続可能な財政運営

令和6年度最終補正予算では、都民共有の財産である東京地下鉄株式会社の株式の売払に伴う歳入1,624億円について、鉄道新線建設等準備基金と東京強靱化推進基金にそれぞれ812億円積み立てることで、鉄道ネットワークの充実と都市の強靱化に向けた取組につなげる。

令和7年度における起債依存度は2.2%と、前年度に比べて1.5ポイント低下しており、国(24.8%)や地方(6.1%)と比べて、低い水準を維持している。

主要な施策

気になった施策をピックアップ。

東京都無痛分娩費用助成等事業(12億円【新規】)

保育料等無償化(763億円←426億円)
(第一子無償化分影響額:279億円)

都版海外留学制度(大学生等向け)(1億円【新規】)

「手取り時間」創出・エンゲージメント向上推進事業(30億【新規】)
「手取り時間」の創出や働きがいを高める取組を行う企業に奨励金を支給。週休3日、勤務間インターバルなど。

テレワークトータルサポート事業(28億円【新規】)
テレワークの導入・定着・促進を図るため、専門家の活用や機器等の導入を支援。

カスタマーハラスメント防止対策推進事業(49億円【新規】)
条例による取組に加え、実践的なカスハラ防止対策を行った企業等に対し、奨励金を支給。

シルバーパスのICカード化(54億円【新規】)

ホームドア整備加速緊急対策事業(6億円【新規】)
拡充前は国、鉄道事業者、区市町村が1/3ずつ負担。区市町村の負担の半分は都が補助(1/6)
拡充後は区市町村の負担を全額、都が負担。つまり国、鉄道事業者、都が1/3ずつ負担。

航空宇宙産業への参入支援事業(5億円【新規】)

DXを活用したアニメ等コンテンツの魅力発信事業(3億円【新規】)
世界に羽ばたくアニメーター等の育成支援(1億円【新規】)

世界陸上
大会経費150億円(チケット収入等70億円+国20億円+東京都60億円)
大会連携事業費52億円
都の負担額112億円(うちR7で82億円)

デフリンピック
大会経費130億円(寄付・協賛等10億円+国20億円+東京都100億円)
大会連携事業費44億円
都の負担額144億円(うちR7で119億円)

多摩都市モノレールの整備(15億円←7億円)
上北台から箱根ケ崎方面への延伸(約7.0km)に向けた調査及び設計等を実施。

次世代型ソーラーセルの普及拡大(12億円←1億円)

区市町村と連携したPFOS等地下水調査促進事業(0.2億円←0.1億円)

噴火が起きても都市活動を維持する(589億円←474億円)

区市町村DX共同化促進事業(4億円【新規】)

令和7年度予算編成方針

都の歳入の根幹をなす都税収入は、法人関係税収の占める割合が高く、元来、景気動向に左右されやすい不安定な構造にあることから、現時点では、都の財政環境の先行きを見通すことは困難な状況にある。

TOKYO予算見える化ボード

わかりやすくて良い。

TOKYOメリハリレビュー見える化ボード

事業評価

各事業の見直し・再構築、移管・終了、拡大・充実が見やすい。

拡大・充実としては、動物園施設整備(多摩動物公園)、新交通施設改修(多摩都市モノレール)などがあり、終了・移管としては、国産木材利用促進強化事業、多摩地域への誘客促進キャンペーンなどがある。

グループ連携事業評価

多摩都市モノレール株式会社:鉄道運転事故0件、箱根ケ崎方面への延伸の推進2030年代半ばの開業を目指すなど。注力すべき課題として今後、沿線の人口減少によって移動需要の縮小の想定が挙げられている。

株式会社多摩ニュータウン開発センター:2023年度はテナント入居率97.22%だったが、2025年には100%を目指す、産学公連携として新規参画団体数を2025年度に10団体とするなど。

東京都が下水道管を緊急点検

東京都が下水道管を緊急点検 八潮市道路陥没事故から1週間…救出活動続く

八潮市で県道が陥没しトラックが転落した事故を受け、東京都は2月3日から下水道管の緊急点検を進めている。今回の点検は道路陥没の再発を防ぐため、国土交通省が全国の自治体に要請したもの。

国の要請の対象となるのは、大規模な下水処理場に接続している直径2メートル以上の下水道管で、都内では清瀬市・東久留米市・東村山市・西東京市にまたがるおよそ19キロ。

また、東京都は国の要請とは別に、腐敗する可能性のある下水道管の点検も進めていて、長さはおよそ24キロ、マンホールおよそ650カ所となる。

青梅市 マイナンバーカードでタクシー運賃割り引き

東京 青梅市 マイナンバーカードでタクシー運賃割り引き

高齢者などを対象に、タクシーに乗車する際にマイナンバーカードをタッチすると運賃を割り引きする取り組み。利用できるのは、市内11の地区に住む高齢者や免許を返納した人、妊娠中や出産後まもない女性で、市は試行を踏まえ、2025年度中の本格実施を検討。

コミュニティバスやデマンドバス以外のこういった取り組みも面白い。タクシー不足が問題になっているがその点は大丈夫かな。

清瀬市議会が住民投票の請求否決

清瀬市議会が住民投票の請求否決 図書館削減問題、市民の訴え届かず

清瀬市が市立図書館6つの内4つを2024年末閉館する問題で、市民団体による住民投票の直接請求を審議する臨時清瀬市議会が2月3日開かれ、反対多数で否決した。

6図書館のうち4館を2024年度末に閉館する方針だったが、閉鎖対象の4館のうち1館は当面存続させると急きょ表明。採決の結果、7対12の反対多数で住民投票条例案は否決された。

じわりと増える図書館数…図書館や博物館数動向(最新)

図書館の数は2021年度までは増えてるんだね。でも利用者数は減っている。最新のデータが2020年度ということでコロナ禍だったこともありもう少し様子を見る必要はあるが。

日の出町も2館あった図書館が1館になった。あきる野市の図書館も利用できるのでいいけど。近隣の自治体との広域利用も進んでいくのだろう。電子図書館も増えている。

多摩都市モノレール(上北台~箱根ケ崎)建設事業の環境影響評価書

多摩都市モノレール(上北台~箱根ケ崎)建設事業の環境影響評価書を提出しました

モノレールの走行に伴う騒音:敷地境界(計画線最寄りの軌道中心から8.1m~22.8m地点)、地上からの高さが1.2mの地点で予測結果は、昼間49dB~57dB及び夜間43dB~51dB。

モノレールの走行に伴う振動敷地境界(計画線最寄りの軌道中心から8.1m~22.8m地点)の予測結果は43dB~49dB。

日影が生じることによる影響に特に配慮すべき施設等のうち、「ヒューマンライフケア武蔵の湯」及び「高水医院」の施設の一部では午後3時から午後4時にかけて、「ヒューマン・ケア武蔵村山」及び「三ツ木地区図書館」の施設の一部では午後2時から午後4時にかけて、「加藤塚跡地」では午前8時から午前9時にかけて日影が生じるものの、規制時間を超える日影は生じないと予測される。

町田ゼルビア「天空の城」ネットつながらない問題解消へ

町田ゼルビア「天空の城」ネットつながらない問題解消へ 16日開幕戦からスマホさくさく! モバイルオーダーも準備

本拠地の「町田GIONスタジアム」は約1万5000人を収容できるのに対し、1万人規模を想定した通信環境になっておらず、昨季はインターネット回線の混雑でスマートフォンなどがつながりにくい事態が常に続いた。電子チケットを入場時に表示できないトラブルもあり、クラブはチケットの表示画面をあらかじめ保存しておくよう呼びかけていた。

市などは改善に乗り出し、電波を受信する基地局をスタジアム内に新設。ただ主要キャリアのうち、改善されるのはNTTドコモとKDDIで、ソフトバンクなどは含まれない。

町田ゼルビアのJ1開幕戦は16日。

エンタメで立川活性化 夏巡業、歌舞伎定着へ 立飛ホールディングス

エンタメで立川活性化 夏巡業、歌舞伎定着へ 立飛ホールディングス 村山正道 社長73

大相撲の夏巡業と、立川立飛歌舞伎公演は毎年開催して、定着させたい。立川駅北口近くで取得した3300平方メートルの土地に、ミニステージを備えたエンタメ施設を建設。外部の企業が運営し、夜に飲食しながらダンスショーなどを楽しめる空間として、秋頃にオープンする計画。

2月後半以降のイベント・ピックアップ

各所で梅まつりが開催されます。

吉野梅郷梅まつり

吉野梅郷梅まつり

2月15日(土)~3月20日(木)@青梅市梅の公園

第57回青梅マラソン

第57回青梅マラソン

2月16日(日)
スペシャルゲストは高橋尚子さん。スペシャルスターターは、フィギュアスケーターの高橋大輔さん。

薬師池 梅まつり

薬師池 梅まつり

2/20(木)~3/16(日)@町田薬師池公園 四季彩の杜 薬師池

フェブラリーS

フェブラリーS

2月23日(日)15:40@東京競馬場

今年最初のG1。

渓流釣り解禁

秋川漁業協同組合

3月1日(土)午前6時より順次解禁

奥多摩漁業協同組合

3月2日(日)正午より解禁

深大寺だるま市・厄除元三大師大祭

深大寺だるま市・厄除元三大師大祭

3月3日(月)・4日(火)@深大寺

編集後記

ここ数日で庭先では梅やフクジュソウが開花し始め、春の到来を実感しています。

しかし、来週には再び強い寒波が日本全土に影響を及ぼす見込みです。この寒波は長引く可能性があり、厳しい寒さが続くことが予想されていますので、体調管理には十分な注意が必要です。

それでは。

コメント