ウイスキー蒸留所を舞台とした「仕事」と「家族」の物語。
駒田琉生は美大に通ってたが、父亡きあと蒸留所を継いで若くして社長となる。蒸留所がなくって家族が作った原酒が無駄になってしまうことを惜しんだからだ。ウイスキー作りのことは詳しく知らなかったので苦労するが、残った原酒を使い新しいウイスキー「わかば」を作って成功する。この成功をもとに経営難のため父が諦めた幻のウイスキー「KOMA」を復活させるために奮闘していく。
ニュースサイトの記者・高橋光太郎は突然振られたウィスキーの仕事で、別にやりたかった仕事というわけでもなくロクに準備もせずに失敗を重ねてしまう。しかし琉生のことを知り、心機一転仕事に打ち込む。KOMAにゆかりのある原酒を見つけたり、記事で原酒を募ったりと最初は乗り気でなかった仕事だが、徐々に積極的に関わっていく成長が描かれている。
先代の社長である父が琉生の兄に託したノートの存在によって、兄にも協力してもらいウイスキーを作る。琉生の母はウイスキーのことは何も知らないが、父の残したノートの字を判別してもらったり家族みんなでKOMAを作る描写が素晴らしかった。
上映時間91分ながらも内容は濃く、高橋の仕事に対するスタンスが変わったり、駒田一家が一丸となって「家族のお酒」を作っていくところが楽しめた。
「お仕事シリーズ」のP.A.WORKSが手掛けた劇場版オリジナルアニメーションということで観てみたが大正解だった。
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