昭島市にある家具の博物館に行ってきた。
フランスベッド株式会社の創業者である池田実氏の発起により1972年に誕生した。当初は中央区にあったが、2004年に昭島市に移転となった。

中神駅北口から徒歩7分ほどのフランスベッド東京工場敷地内にある。入館料は一般200円。
大きく日本の家具と海外の家具に別れて展示されている。
衣類などを収納した長持と呼ばる木箱があり、さらに移動させやすいように車輪がついた車長持というものもある。明暦の大火では人々が路上に運び出して避難の妨げになったこともあり、幕府は江戸、大坂、京都で製造を禁止したとか。家具から見る歴史というのも面白い。
日本では明治5年まで旧暦が使われていて30日の大の月、29日の小の月に分かれる。今月がどちらかを知らせる「大」と描かれた看板があった。江戸時代は掛売が基本で決済日の月末は重要だったことからこのような看板が作られたとか。
ベッドを温める「ベッドウォーミングパン」というのも展示されていた。炭や焼き石を入れて使ったという。
全体的に椅子の展示が多かった。現在は4本脚のものが主流だが、昔は3本脚の椅子もあった。
組接ぎ標本もあり、実際に組み立て体験ができる。木材サンプルも置いてあり感触を確かめることができる。木材とその特徴も書かれており、杉は加工が容易で幅広く使われる、樅は棺桶や卒塔婆に使われるなど材質と用途が書かれていて興味深かった。
家具は人々の生活に密接に関わっている。暖を取る行火、ベッドを暖めるベッドウォーミングパンなど昔は今よりもっと暖を取ることが困難だったが様々な工夫が見られた。移動させやすいように車輪を付けた車長持が、火事で路上に運び出したことにより避難の妨げになったことなど便利であるがゆえの問題も起きたりと興味深かった。家具を通した人々の暮らしに思いを馳せてみると面白い。
それでは。
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