多摩地域ニュースまとめ2025年8月前半号

多摩

学歴詐称の疑いが指摘されている静岡県伊東市の市長をめぐり、市議会は代表者会議を開き、不信任決議案を提出する方針を固めたということです。日の出町議会でも今年5月にある議員に対して辞職勧告決議が可決されています。

そこで辞職勧告決議、不信任決議について多摩地域での市町村議会の具体例を見て、どういった場合に可決または否決されているか見ていこうと思います。同様に問責決議、懲罰についても見ていきます。各議会サイトの会議録検索機能を使っているため、そこで公開されている期間のみ対象です。また、奥多摩町議会については検索機能がないため調べていません。

まず首長です。首長に対しては法的拘束力のない問責決議と辞職勧告決議、法的拘束力のある不信任決議があります。問責決議は責任を問い、辞職勧告決議はさらに辞職を促します。不信任決議は可決後、首長は10日以内に議会を解散しなければ失職します。

まず問責決議です。数が多いので近いものから5件挙げます。2024年に武蔵野市長に対する教育長の人事に関する内容で提出され、可決されています。2020年にあきる野市長自身が委嘱した策定委員会の意見を尊重せず、委員会が反対している事項について、自身の独断で盛り込む考えを示したことで提出され、可決されています。2019年に小金井市長に対しガバナンスが欠如し、コンプライアンス意識に欠けるとして提出され、可決されています。2019年に西東京市長に対し当初予算審査時における説明書の誤りが明らかになったとともに、不適切な記載のある公文書を教育委員会が発出したことについて執行機関の長である市長などの責任を求めるとして提出され、可決されています。2008年に東久留米市長がイオン誘致に関わる「南沢地区地区計画策定業務報告書」の一部を隠ぺいして市議会に提出したことが問題となりましたが、こちらは否決されています。

次に辞職勧告決議です。東久留米市長に対しては2011年の1回と、2012年4回の定例会全てで公約違反を理由に提出され、可決されています。2001年に武蔵村山市長に対して身勝手な言動から、庁内はもとより、市民、議会をも混乱させたとして提出され、可決されています。

続けて不信任決議です。2022年にあきる野市長が介護老人福祉施設の誘致に関して議案にせずと公言しこれが議会軽視にあたるとして提出され可決、これに対抗し市長が議会を解散しましたが再び不信任決議が可決し市長が失職となっています。2017年に小平市長が3期を限度と宣言していましたが4期目の出馬を表明したことで提出され、こちらは否決されています。2006年に町田市長に政治資金規正法違反の罪による30万円の罰金刑の略式命令を出し有罪判決が確定し提出されましたが、否決されています。

次に議員です。議員に対しては法的拘束力のない問責決議と辞職勧告決議、法的拘束力のある懲罰があります。懲罰は軽い順に戒告、陳謝、出席停止、除名の4つがあります。除名になると議員の身分を失うことになります。

まず問責決議です。2025年に調布市議が会議システムID・パスワードを第三者へ提供したこと及びその行為を黙認してきた議員に対して提出され、可決されています。2016年に国分寺市議が議会運営委員会を無断欠席、さらに本会議に酒気帯び状態で出席し、当日、自家用車で登庁したことが発覚し提出され、可決されています。2006年に立川市議の立川市民の党ニュース第46号に記載された記事が極めて不穏当であり、議員の名誉と立川市に対する極めて不当な記事だとして提出され、可決されています。

次に辞職勧告決議です。数が多いので近いものから5件挙げます。2025年に日の出町議が自己中心的な発言や行動により、町民や議会に対し大変な混乱を招いたとして提出され、可決されています。2019年に国立市議が議員の立場を利用したセクハラ・パワハラ行為を繰り返したことで提出され、可決されています。2016年に稲城市議が医師・看護師等に行った暴言・不当要求等の行為で提出され可決、さらに2017年と2018年も提出され合計3回可決されています。2017年に国分寺市議が酒気帯び運転を理由に提出され、可決されています。2015年に府中市議が公職選挙法違反で有罪判決を受けて提出され、可決されています。

最期に懲罰です。2023年に府中市議が一般質問にて、数々の無礼の言葉を使用したという理由で提出されましたが、否決されています。2014年に多摩市議が各会派控室に無断で侵入、資料等を持ち去った行為で「陳謝」が可決されています。1999年に東村山市議に一般質問で特定の次長を名指しで中傷したという理由で「戒告」が可決され、その際に除斥に応じなかったとして2日間の「出席停止」が可決されています。

首長に関しては議会軽視のような言動で辞職勧告決議、不信任決議が可決されています。議員に関してはほとんどが明確に法律違反となっているものや、それに近いものが辞職勧告決議として可決されています。法的拘束力の有無にかかわらず、首長や議員の進退に関する議決は慎重に判断しなければなりません。

それでは今回も多摩地域のニュースを見ていきます。

日の出町議会会議録 令和7年第1回定例会、第2回臨時会、予算決算常任委員会を公開

日の出町議会会議録

令和7年第1回定例会

東議員が町長選挙に出馬するために辞職願。

田村町長は町長選に不出馬表明。「時代が日々早いスピードで動く中、新しい考え方を取り入れて、改革を進めていくために、私より若い世代の方に次の時代の舵取りを任せたい。」とのこと。

現在、企業と締結している主な災害応援協定
・イオンリテール株式会社(当時は株式会社マイカル)と締結している「災害時における食料品及び日用品等の調達に関する協定書」
積極的かつ優先的に物資の供給に協力していただけるといった協定。

・亜細亜大学と締結した「災害時における避難所等施設利用に関する協定書」
亜細亜大学の施設の一部を指定緊急避難場所及び指定避難所、物資の保管場所、災害廃棄物の仮置き場として利用させていただけるといった協定。

・S&D多摩ホールディングス株式会社及びトヨタS&D西東京株式会社と締結した「災害時における給電車両の貸与に関する協定書」
町内で大規模停電等の電力が不足する事態が発生し、または発生するおそれがある場合に、町が要請することにより給電車両の貸与を受けることができるという内容。

Q.玉の内地区の第4工区について一向に改善が見られない点で対策はあるのか
A.現在、許可権者である東京都多摩環境事務所では、何とか事業主に土砂の撤去及び崩落防止対策の工事を実施させるよう、粘り強く交渉をしている。
>残土、盛土問題は平野さんが議長になったので木住野さんが引き継いだのかな。

第2回臨時会

東町長の所信表明演説。

これまでの町政の基本路線、諸先輩首長が築いてこられた方針を引き継ぎつつ、『活力ある地域づくり』『災害に強いまちづくり』『子育て・教育支援』『福祉のまちづくり』『持続可能な行財政運営』という視点を持ちながら、各種施策の推進、並びに、町が抱える課題の解決に取り組んでまいりたいと考えております。

萩原隆旦議員に対する議員辞職勧告決議

萩原隆旦議員に対する議員辞職勧告決議
1)町長選挙に対する新聞折り込みを第三弾まで発行し、公開討論会の場でも出馬の意向を示しながらも、告示日直前の不出馬について町民への説明責任をはたしていない。
2)新聞折り込みやSNS、ブログ等で議会や議員を冒とくした表現を町民に発信したことは看過できない。
3)健康上の理由により町長選を辞退したにもかかわらず、議員活動を続ける理由が不明瞭である。
4)議員辞職せず、町長選も出馬せず、議員の職にとどまるのは、安に自己保身である。
5)当人は、法的には問題ないと言うが、議員は公人であり法を犯さなければ何をしても良い訳ではなく、自らの言動に責任を持ち、過ちがあった場合は潔く、自身の出処進退を決めるべきである。

当人の除斥と塙議員が退席した以外は全員賛成している。ここに挙げられている理由を読む限り、たしかに言動に矛盾があるとは思うが議員辞職勧告は少しやりすぎだと思った。

大前提として違法性がないこと。違法性がないならそれなりに強い理由が必要なこと。健康上の理由から町長選への出馬を断念し、議員活動を継続するという判断をしたことは非難されるようなことではないこと。直前に出馬を断念することは珍しくないこと。新しく町長に挑戦することと、残りの議員の任期を全うするのでは意味合いが違うこと。そのことによって議会・議員そのものをおとしめてしまう危険性があることや、町長選の機会が失われたことの指摘は成立しない。

「議会や議員を冒とくした表現」が何を示しているのか分からないが、批判をすること自体は問題ない。たとえ行き過ぎた表現であったとしても問責決議が妥当ではないか。辞職勧告決議を提出するまでにどのようなプロセスがあったのかも気になるところ。こういうところも見える化して欲しい。

予算決算常任委員会

自主財源比率について

自主財源は多いことに越したことはないが、自主財源の確保を維持しつつ、国や都の支出金の依存財源も積極的に活用していく。

>単純に多ければいいという話でもない。補助金などを使えば当然低くなるが、それはそれであり。

アニメ等コンテンツを活用した誘客促進事業費補助金

70周年記念のキャッチフレーズとロゴマーク、そして町のキャラクター「ひのでちゃん」をデザインしたマンホールの蓋を設置するのと、デザインマンホールをPRするため、全国的な人気があるマンホールカードを作成・配布する。これらの取り組みは、アニメなどのコンテンツを活用した誘客促進事業として、東京都の補助金(経費の3分の2)が活用される。事業費は434万5,000円。

>「アニメ等」の守備範囲広いな。

航空写真

檜原村と奥多摩町を除いた西多摩6市町で共同で行っている事業で、家屋の経年異動判読に使っている。基本1月1日に飛行機を飛ばして撮影している。西多摩6市町を15コースに分けて、約400カット撮っている。そのうちの一部が日の出町に入ってくる。分析については、当年度(令和7年1月1日時点)と、前年度(令和6年1月1日時点)の写真を比較し、ここに倉庫みたいなものができた、家がなくなった、家の屋根の色が変わったなど変更があった建物をリストアップする。リストアップされた約650件のうち、建築確認で既に把握している新築物件などを除いた約30件について、職員が現地調査を行う。

>今年の1月1日の午前中にセスナ機が飛んでたのはこれか。

学校給食費の無償化

学校の集金業務がなくなったので、先生や町の事務担当の毎月の口座のデータの管理がなくなった
年間毎年100万円から150万円程度の未納の対策についても、無償化以降は新たに増えないというところは大きいこと。

>集金業務がなくなって職員の負担が減るというのは新たな視点だった。

東京都市長会、令和8年度東京都予算編成に対する要望活動を実施

令和8年度東京都予算編成に対する要望活動を実施しました。

気になったところをピックアップ。

総務・文教部会

重点要望

2 地方創生・地方分権の推進に向けた都の支援
(3)ふるさと納税制度の抜本的な見直し
受益と負担という地方税の原則及び返礼品競争により寄付本来の趣旨を逸脱しているふるさと納税制度の廃止に向けて具体的に国へ働きかけること。

4 学校給食費の全国一律での保護者負担軽減に向けた国への働きかけと都制度の継続

5 自然災害に対する防災体制の確立
(4)立川広域防災基地へのアクセス性の向上等 立川広域防災基地は、都の重要な防災拠点であるが、アクセスが悪いため、多摩川対岸の中央自動車道、国道16号線、20号線バイパス、甲州街道及び五日市街道へ通じる路線について整備を加速し、アクセス性を向上させること。

一般要望

2 交通安全教室等の推進・拡充
(1)交通安全に資するイベント、補助事業等への支援制度の拡充等 令和5・6年度に実施した自転車利用者に対するヘルメット購入時の補助制度について、26 市のヘルメット着用率は依然として低い水準にあることから、補助制度を再開すること。

厚生部会

3 生活保護制度における夏季支援策の充実 要望先 福祉局 昨今の夏季の猛暑は身体生命にも危険を及ぼしているため、冷房器具は日常生活を送る上で必需品となっていることから、生活保護受給者の暑さ対策への支援が必要である。 このため、次の策を講じること。
(1)支給要件の見直し
(2)夏季加算の支給

>冷房器具は日常生活を送る上で必需品

建設部会

6 横田基地等周辺の生活環境整備・騒音対策等の推進
(8)多摩サービス補助施設の返還及び共同使用の促進

>多摩サービス補助施設の共同使用については先の都議選でも政策に掲げている人がいた

東京都町村会と東京都町村議会議長会、令和8年度東京都予算編成に対する要望を東京都に提出

令和8年度東京都予算編成に対する要望

気になったところをピックアップ。

21 安全・安心な住民生活の確立

(6) 災害時の孤立を防止するための道路建設(建設局、水道局)
② 檜原村、奥多摩町の中心部を結ぶ連絡道路の建設促進 災害時における奥多摩町内及び檜原村内の孤立を防ぐためには、檜原村を南北に縦断する道路計画と、その延長で鋸山を横断する道路を整備し、主要地方道33号線から国道411号線を結ぶ必要がある。両地域の産業経済の発展にも寄与するため、事業化に向けた措置を講ずること。

>檜原村、奥多摩町を結ぶ道路は奥多摩周遊道路だけなので別ルートができると便利

23 地域特性に応じた公共交通の確保

(3) 自動運転技術の導入に対する支援の拡充(都市整備局)【新規】
安定的な公共交通運営に必要な自動運転技術の導入を推進するための予算を十分に確保するよう国に要請すること。また、都においても、車両購入費など補助対象を拡充すること。

26 水道事業への支援

(2) 都営水道の一元化(総務局、保健医療局、水道局) 都営水道一元化計画から除外されている檜原村及び島しょ町村は、事業規模が小さく地理的、地形的特性から水道事業の効率的な経営には限界があるため、同様のサービスを受けられるよう、都営水道一元化を実現すること。

>檜原村はそもそも都営水道一元化計画から除外されてるのね

多摩地域を中心に運用中”東京都のドクターヘリ、整備士不足で8月に7日間運休

多摩地域を中心に運用中”東京都のドクターヘリ、整備士不足で8月に7日間運休

ドクターヘリ事業を委託する学校法人ヒラタ学園が整備士を確保できず、8月7日から10日と24日から26日の合わせて7日間、運航を休止する。

東京都は2022年から杏林大学医学部付属病院と協定を結び、多摩地域を中心にドクターヘリ1機を運用している。ドクターヘリの基地病院は杏林大学医学部附属病院だが、ドクターヘリは立川飛行場にある東京消防庁航空隊多摩航空センターに待機し、そこに杏林大学医学部附属病院と協力病院の東京医科大学八王子医療センターおよび都立多摩総合医療センターの医師、看護師が待機するという体制になっている。

運用を開始した2022年、多摩地域の救急車での搬送は平均およそ47分かかっていたが、ドクターヘリの導入で大幅に短縮し、15分以内の搬送が可能になるという。東京都としては現在1台を運用していて、2023年度には1360回出動し、そのうち306人を救命救急センターに搬送している。

武蔵野市初の公式VTuber 七転さらさがデビューします!

動画 七転さらさの健康ちゃんねる

若い世代が健康に関心を持つきっかけとなるような動画を毎週火曜日に1本ずつ市公式YouTubeで公開するとのこと。

初日に2分程度の動画を5本、武蔵野市の公式チャンネル(8/12正午時点で登録者2770人)の中で公開した。デザインも名前も特に武蔵野市らしさが入ったものではない。緑を基調としてハートの小物がところどころに入ったデザイン。声も思った以上に落ち着いたゆるい話し方で、テロップでツッコミが入るという感じ。健康に関する内容は少ないが、とりあえず見てもらうことを意識したのだろう。それにしても武蔵野市は金あるな。

自治体公式・公認VTuberとして、埼玉バーチャル観光大使の春日部つくし(登録者17.9万人)、茨城県公認の茨ひより(いばキラTV登録者18.1万人)、岩手県公認の岩手さちこ(登録者7240人)、長野県中野市公認の信州なかの(登録者4530人)などがいる。茨ひよりは日本初の自治体公認VTuberだそうだ。

自治体公式・公認VTuberとしてどのくらいいるのか探してみたところ18人は確認できた。そのうち直接自治体が手掛けたのは9人。うち都道府県が3人、市町村が6人。その他9人はご当地VTuberとしての活動が認められて公認や観光大使に任命されるケースが多い。特に直接自治体が手掛けてる場合はデザインや名前がご当地に関わるものが多い。自治体全体のアピールに使われるのがほとんどで、七転さらさのような健康情報に特化した情報を発信するというのは他になさそうだ。

8月後半以降のイベント・ピックアップ

払沢の滝ふるさと夏まつり

払沢の滝ふるさと夏まつり

8月16日(土)11:00-21:00@檜原小学校校庭及び払沢の滝周辺
打ち上げ花火は20:00-20:30。

小和田花火大会

小和田花火大会

8月16日(土)19:45-21:00@小和田橋周辺

野川灯籠流し

野川灯籠流し

8月19日(火)18:30-19:30@野川河川敷

昭島市民くじら祭

昭島市民くじら祭

8月23日(土)-24日(土)@昭和公園
花火大会は8月23日(土)20:00-20:30。

武蔵村山市観光納涼花火大会

武蔵村山市観光納涼花火大会

8月30日(土)14:00-21:00
@第一会場:野山北公園運動場、第二会場:イオンモールむさし村山(観覧場所)
打ち上げ予定は19:50-20:30。

調布花火

調布花火

9月20日(土)18:15-19:15@調布市多摩川周辺

編集後記

7月から暑い日が続きましたが、8月5日には青梅市で40.3℃を観測しました。東京都内で気温40℃以上を観測するのは、2018年7月23日に青梅市で40.8℃を観測して以来、7年ぶり2例目となります。

8月5日は八王子で最高気温40.3℃、府中で40.0℃、小河内(奥多摩町)で37.1℃を観測し、いずれも観測史上1位の値を更新しました。

暑さは少し和らいできましたが、来週は再び気温が上昇する予報です。引き続き熱中症には十分ご注意ください。それでは!

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