石破茂首相は、総裁選の前倒しを巡る党内抗争が激化する中、党内分裂の回避を優先し、首相続投と衆議院解散の双方を断念しました。そして、9月7日の会見で辞任を表明しました。
一方、学歴詐称の疑いで市議会から不信任決議を受けた静岡県伊東市の田久保真紀市長は、9月10日に市議会を解散しました。市議会は9月1日に不信任決議を全会一致で可決しており、田久保市長は市議会の解散か、自身の辞職・失職かの選択を迫られていました。
多摩地域でも、過去にさまざまな理由で首長が辞職・失職しています。
まず、辞職した主なケースを見てみましょう。2002年に多摩市の鈴木邦彦市長が収賄容疑で逮捕され、辞職しました。また、2018年には狛江市の高橋都彦市長がセクハラ行為の責任を取り辞職しています。これらは、違法行為や不祥事に対する責任を取る、当然の辞職と言えるでしょう。
小金井市では、政治的な言動を理由に辞職に追い込まれたケースが続いています。2011年には、佐藤和雄市長がごみ処理費用を「ムダ使い」と表現したことで、他市から猛反発を招き、ごみの受け入れが拒否される事態となりました。この責任を取る形で辞職しています。さらに、2022年には西岡真一郎市長が、市立保育園の一部廃園に関する条例改正の専決処分が市議会で承認されなかったことを受け、辞職しました。
次に、失職したケースです。2022年、あきる野市の村木英幸市長は、議会を軽視する対応を重ね、特別養護老人ホームの誘致を進めた結果、市議会から不信任案を可決されました。市長は議会を解散しましたが、その後の市議会でも再び不信任案が可決され、失職しました。さらに、出直し市長選挙でも落選しています。このケースは、選挙後の議会の動向を見据えた対応ができず、市政に混乱を招いただけの結果となりました。
議会が解散すれば、その間は市政が停滞してしまいます。また、選挙は民主主義に必要なコストですが、市議選と市長選にはそれぞれ数千万円の費用がかかります。これらの点からも、議会を解散させるには、それに見合うだけの大義が求められます。
それでは今回も多摩地域のニュースを見ていきます。
令和6年度 東京都市町村普通会計決算の概要
東京都市町村の令和6年度普通会計決算は、歳入総額が2兆804億90百万円、歳出総額が2兆91億6百万円となった。決算規模は、歳入が4.3%の増、歳出が4.8%の増となり、歳入、歳出ともに令和5年度に引き続き2年連続の増加となった。
義務的経費は、5.8%の増で、歳出全体に占める割合は、0.4ポイント増の49.1%となった。人件費は、段階的な定年引上げに伴う退職金の増加などにより、9.1%の増となった。扶助費は、定額減税非課税世帯給付金や児童手当の増加などにより、5.3%の増となった。
財政構造の弾力性を示す経常収支比率は、人件費及び扶助費の増加などにより、0.9ポイント増の91.1%となった。これは、分母である経常一般財源等が、地方特例交付金などが増加したことにより3.9%の増となったものの、分子である経常経費充当一般財源等が、扶助費などが増加したことにより5.1%の増となったことによるものである。
経常収支比率が低い方は、檜原村72.9%、奥多摩町75.4%、武蔵野市79.2%、府中市81.1%、立川市87.1%。高い方は、あきる野市99.3%、国立市99.0%、青梅市98.7%、日の出町97.9%となっている。
日の出町議会会議録 令和7年第2回定例会を公開
東町長として初の定例会。
先の町議補選で当選した野崎議員が初の一般質問。経歴からしてIT関係にも明るいと思われるが、今回は農業政策の質問に絞ってきた。
町立小中学校屋内運動場空調機器
小中学校の体育館に空調を入れるために10年リース契約を結び、契約終了後は設備を町の財産として無償でもらえる。契約金額は総額4億7,955万6,000円。
さっそく町長の公約が一つ達成した。
空き家
令和4年度に実施した空き家の実態調査で182棟空き家があり、そのうち管理が行き届いてなく損傷が激しい空き家が13棟。大久野が85棟、平井が97棟。市街化区域内に114棟、市街化調整区域が68棟。
空き家バンクの登録物件はなく、利活用登録者は2名のみ。
生活用水確保の方策
大地震等の災害が発生し、水道施設が被害を受け、町民に生活用水を供給することが困難になった場合の応急水源として、平成19年3月に協同乳業株式会社東京工場の所有する井戸について、「災害時における井戸の利用に関する協定」を締結している。
日の出町内には、東京都水道局の文化の森給水所があり、容量は2,000トンで、1人1日3リットルとして町の人口で換算すると、約40日分の水量がある。
東京水道株式会社のあきる野営業所によると、日の出町の総配水量、令和5年度の平均数値で1日平均配水量が2,200立方メートルとなっている。
ふるさと納税現地決済 東大和市 返礼品受け取りも同時に
「現地決済型」と呼ばれるふるさと納税で、ロケトク社(渋谷区)が開発した専用アプリ「ロケふる」を使用する。対象店のレジでQRコードを読み取り、返礼品に応じた寄付額をクレジットカードで支払い、完了する。寄付額の最大3割が返礼品額になる。
行政の運営コスト削減にもつながる。
中森明菜さん 清瀬市返礼品に ふるさと納税 カップなどデザイン
中森明菜さん 清瀬市返礼品に ふるさと納税 カップなどデザイン
中森明菜さんの出身地として知られる清瀬市は、明菜さんがデザインしたガラスカップなどをふるさと納税の新たな返礼品にしたと発表した。
明菜さんは昨年6月にあった西武線清瀬駅開業100周年事業に協力。同駅の発車メロディーが大ヒット曲「DESIRE―情熱―」(上りホーム)、「セカンド・ラブ」(下りホーム)に変更され、直筆メッセージ入りパネルも展示された。これをきっかけに、市とのつながりも強まり、明菜さんが新たな返礼品について企画段階から参加した。
園芸土不法投棄やまず 生態系への悪影響懸念 自治体回収乗り出す
園芸土不法投棄やまず 生態系への悪影響懸念 自治体回収乗り出す
三鷹市と武蔵野市にまたがる都立井の頭公園で、園芸用の土が不法に投棄されるケースが後を絶たない。家庭で不用になった土が捨てられているとみられ、都内の他の公園でも確認されている。園芸用の土には植物の根や種子などが残っていることがあり、本来は公園に生えていない観葉植物などが繁殖する恐れがある。
相次ぐ不法投棄を受け、三鷹市では4月から、市内2か所で園芸土の回収を始めた。7月末までの4か月間で回収した土は計約2・1トン。土は滅菌処理を施した後、再生土として市内で開かれるガーデニングのイベントなどで無料配布する予定。
昭島市では今年5月から、ホームセンター「カインズ」の協力を得て、昭島店で不用になった園芸用の土を無料回収してもらえるようにした。
仮想の「居場所」で孤立防ぐ 日野市実験へ
日野市は来月、インターネット上の仮想空間「メタバース」を活用し、引きこもりや社会的に孤立する人を対象にしたオンライン上の居場所「IBASYO・META場」を開設する。2026年6月までの実証実験で、孤独の解消などの効果を検証し、事業化を検討する。
市職員に家族関係や仕事のことなどを個別に相談できるという。
「小1の壁」解消へ 江東区・調布市で“朝の居場所づくり”
東京都内の「朝の小1の壁」対策の実施は「予定」も含め、港区・江東区・品川区・大田区・世田谷区・杉並区・豊島区・江戸川区・八王子市・三鷹市・昭島市・調布市・小平市の13自治体となっている。
このうち、都内で最も早く取り組み始めたとみられるのが、2023年に開始した三鷹市で、そこから徐々に拡大している。
実施している自治体からは「ニーズの高さを感じる」という声がある一方で、対象の学校を増やすためには子どもたちを見守る人員の確保が課題になっている。
立川市が小中28校に「新さすまた」 校内乱入事件受け12月配備へ
立川市が小中28校に「新さすまた」 校内乱入事件受け12月配備へ
立川市で5月、男2人が小学校に乱入し、校長らが殴られた事件を受け、市は、相手を挟んで拘束できる新たな「さすまた」を市立小中学校全28校に配備すると発表した。
府中日鋼団地建て替えへ 老朽化 総戸数702 住民決議 国内最大級
府中日鋼団地建て替えへ 老朽化 総戸数702 住民決議 国内最大級
府中市日鋼町にある分譲団地の「府中日鋼団地」(総戸数702戸)は入居から60年近くたって老朽化したため、区分所有法に基づき住民が決議して2030年末頃に高層マンションに生まれ変わる。国土交通省によると、建て替え前の戸数としては、これまでで全国最多だ。多摩ニュータウン内で一括建て替えされた団地「諏訪2丁目住宅」(多摩市)は640戸だった。
2014年に区分所有法に基づく団地一括建て替え決議集会を開催。賛成率は74%で、法定要件である全体の80%には届かず、決議は不成立となったという。今年3月の臨時総会で決議にこぎつけ、区分所有者の賛成率は84%で正式に建て替えが決まった。
給食に姉妹都市のコメ 府中市が来月購入
府中市は、市内の小中学校の給食用として、姉妹都市の長野県佐久穂町を産地とするコメを今年10月に購入すると発表した。全国的なコメの供給不足と価格高騰を受け、安定的な確保のために調達経路の多様化を図ることが狙い。
八王子市の給食に姉妹都市・小田原市の「下中たまねぎ」が使われたり、西東京市では給食において姉妹都市・友好都市にちなんだ献立を提供している。
9月後半以降のイベント・ピックアップ
調布花火
9月20日(土)18:15-19:15@調布市多摩川周辺
都民の日における施設無料公開及び記念行事
10月1日(水)
殿ヶ谷戸庭園、多摩動物公園、井の頭自然文化園、神代植物公園など。
編集後記
気象庁は9月1日、今年の梅雨入り・梅雨明けの確定値を公表しました。関東甲信の梅雨明けは速報値では7月18日頃でしたが、確定値では6月28日頃になりました。梅雨明けは九州南部、東海、東北を除く地域では統計が残る1951年以降で最も早かったということです。
また府中、八王子、奥多摩の観測所では8月5日の最高気温が観測史上1位の値になるなど、今年は記録に残る夏になりました。それでは!
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